『鬱』がリミックス&アップデイト盤で全く新たに生まれ変わる!ピンク・フロイド初の360 Reality Audio化も実現!
『原子心母(箱根アフロディーテ50周年記念盤)』が話題を呼んでいるピンク・フロイドが、早くも新たな作品『鬱(リミックス&アップデイト)』を10月29日にリリースすることを発表した。1987年発売『鬱』(A Momentary Lapse Of Reason)をデヴィッド・ギルモアとアンディ・ジャクソンがオリジナル・マスター・テープからリミックス、ニュー・ヴァージョンとして全く新たに生まれ変わる(The Later Years Boxからの分売)。
さらに、セッション・ミュージシャンが参加していた一部の曲で、リチャード・ライトのオリジナルのキーボード・テイクや新たに発見された音源を使用し再編集、ニック・メイスンも新たにドラム・トラックを追加録音した「アップデイト・ヴァージョン」となっている。ドラムとキーボードのパートがオリジナル・メンバーの音源で初めて再現され、デヴィッド・ギルモア、ニック・メイソン、リチャード・ライトの3人のピンク・フロイドのメンバーによって創造された、最も望んでいた姿でのリリースとなる。「リミックス&アップデイト盤」は、ドラムスやキーボードがより浮き出たサウンドで、87年のオリジナル盤とは一線を画すものとなっており、オリジナルに感じられた80年代特有のエレクトリックなサウンドは一掃、これぞピンク・フロイドという奥行きのある空間が広がっている。
『鬱』は前作『ファイナル・カット』以来4年振り、ピンク・フロイド通算13枚目のオリジナル・アルバムで、ロジャー・ウォーターズ脱退後にリリースされたデヴィッド・ギルモアを中心とした“新生ピンク・フロイド”としての初の作品。デヴィッド・ギルモアのクリエイティヴィティを前面に打ち出した親しみやすいメロディが全体を包み込み、それまでのピンク・フロイド作品とは異なったサウンド・スケープを出現させている。『鬱』のチャート・アクションは全米3位・全英3位。その後のワールドツアーも大成功を収め、1988年3月には最後の来日公演を行ない、光と音の大スペクタクル・ショーは観るもの全ての度肝を抜いた。
ヒプノシスのストーム・トーガソンがアートワークを担当し、フロント・カヴァーはイギリスのデボンシャー、ソーントン・サンズにある海岸に500台以上のベッドを実際に並べて撮影されたもの。本作にはその別ヴァージョンが使用されている。
デヴィッド・ギルモアは今回の「リミックス&アップデイト盤」についてこう語っている
「僕たちはこのアルバムを録音してから何年か後、もっとタイムレスなものにするためにアップデイトすべきだという結論に辿り着いたんだ。僕たちが大好きで演奏するのに慣れていた伝統的な楽器をもっとフィーチャーしてね。そうするメリットがあるんじゃないかと考えた。それから、これまではリックのキーボード・パートのうち、これまで使っていなかった音源を探して見つかったものが、新しいヴァイブや新しいフィーリングをもたらすのに役立ったんだ」
また、デヴィッドは1987年のオリジナル盤のレコーディングをこう振り返る。
「ボブ・エズリンとは1979年に『ザ・ウォール』を一緒に作ったし、僕とはソロ・アルバムもいくつか作っていた。ボブからはたくさんのことを学んだよ。プロジェクトの一員としてとても貴重な存在なんだ。僕が書いていた色々な曲に一緒に着手して、(1986年の)クリスマスの時期にはうまく進んでいることを確信したよ。ある日ふと僕が“ひらめき”を感じたものが〈時のない世界〉になった。ひと晩で5つもヴァースを書いたんだ。素晴らしい偶発的な幸運の瞬間、どこからともなく流れ出てきてね。後になって、あれはとても貴重な瞬間だったんだと分かって、自分たちがいい線いっている、きっとうまくいくはずだと確信できたんだ」
ニック・メイスンも本作についてこう語った。
「35年もたってアルバムを編纂し直すなんて、初めはちょっと変な感じがしたけれど、同じ作品を別の視点から見たいというみんなの意欲が長年の間に計り知れないほど大きくなったのは間違いない。デジタル・テクノロジーによって、“素晴らしい新世界”だった時代の初期の作品を紐解く機会は、必然的にますます興味深いものになっている。曲の中に新しい要素を見つける、いや新しい科学によってそれまで隠れていた要素を見つけることができるメリットがあるのは間違いない。思うに、アルバムを過去に遡り、その機会を利用して、2つの大規模なツアーでアルバムの多くをライヴで演奏するという経験から学んだことを多少活かすことにより、ほんの少しオープンなサウンドを作ることができる要素があると思う。スタジオを無制限に利用してドラムのトラックを録音し直すのは楽しかった。『鬱』はかなりのストレスと時間的制約の中で録音したもので、実際最終ミキシングと次のツアーのリハーサルが同時進行だったんだ。リックの仕事の一部を改めて取り入れる機会を得たのも良かったね。あれもまた、テクノロジーのポジティヴな大変動が本当に多くのデジタル的なチャンスを与えてくれて、バンド感を圧倒的なものにしてくれた気がする。このリミックスのメリットの1つがそうであるといいね!」
リミックスとアップデイトを施した『鬱』はアートワークも装い新たに、故ストーム・トーガソンのディレクションのもとロバート・ダウリングが撮影した、ベッドが並ぶオリジナル盤のジャケット写真の別テイクが使用される。アイコニックなオリジナル盤のジャケットのイメージを反映させた2021年のアルバム・アートワークは、ヒプノシスのオーブリー・パウエルと、ストームスタジオのピーター・カーゾンがデザインとアート・ディレクションを担当した。
オーブリー・パウエルは新たなアートワークについてこう語った。
「ヒプノシスのパートナー、ストーム・トーガソンがデザインした、ベッドが500台以上並ぶアイコニックな写真をアップデイトしようと思っていた。アーカイヴに目を通していたときに、海がセットに迫ってきているヴァージョンの写真を発見したんだ。ストームが、ベッドが全部(流されて)なくなってしまうことを恐れて撮影を中断した直前のものだった。それから、マイクロライト・プレーン(超軽量飛行機)を改めてフィーチャーしようと思ったんだ。飛行機を間近で撮った写真がなかったから、似たような白の飛行機を探し出して、ピーター・カーゾンに機体をリタッチで赤に塗り直してもらった。それからそのマイクロライト・プレーンをデザインの全面に持ってきたんだ。デヴィッド・ギルモアとニック・メイスンに承認してもらって、オリジナルの人気アートワークへの新鮮なアプローチの出来上がりさ」
『鬱(リミックス&アップデイト)』は、さらに初の「360 Reality Audio」(サンロクマル・リアリティオーディオ/以下360RAと表記)化が行われ、没入感のある立体的な音場を再現。ソニー独自の立体音響技術を用い、全天球(360度)からの音に包まれるような、臨場感溢れる新しい音楽体験をすることができる。『鬱』は他のピンク・フロイドの作品に先駆け、360RAの他ドルビー・オーディオとUHDヴァージョンでもリリースされることになっている。
本日「幻の翼」のスペシャル・ヴァージョンのビデオが公開。オーディオ部分は360RA立体音響ミックスが使用されている。YouTubeのビデオをお持ちのヘッドホンで視聴すれば、シミュレーションされた360RAサウンドを体験できる。
●「幻の翼」(360RA VIDEO)
“Learning to Fly (2019 Remix)” 360 Reality Audio version
フィジカル・フォーマットは日本盤で1CD、2LP(輸入盤国内仕様/180g重量盤/ハーフスピード・カッティングの45回転仕様になっており、音質がさらに向上している)。輸入盤でCD+DVDのセット、CD+Blu-rayのセットが10月29日より入手可能。
また、360RA、ドルビー・オーディオ、UHDヴァージョンが各デジタル・サービス・フォーマットにて10月19日より入手可能となる。
【360 Reality Audio】
360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)はソニーのオブジェクトベースの360立体音響技術を用いた没入感のある新しい音楽体験。ヴォーカル、コーラス、ピアノ、ギター、ベース、はたまたライヴ・オーディエンスの出す音まで、個別のサウンドを全天球(360度)の空間に自在に配置することができるため、アーティストやクリエイターが新しい形でその創造性を発揮することができる。リスナーはアーティストやクリエイターの意図を正確に再現した音のフィールドに没入することができる。
この新しいフォーマットで360 Reality Audio向けに作られた音楽コンテンツは、対応可能な音楽ストリーミング・サービスにより楽しむことができる。
【プロダクツ概要】
ピンク・フロイド『鬱(リミックス&アップデイト)』
PINK FLOYD/A Momentary Lapse of Reason (Remixed & Updated)
2021年10月29日発売
■1CD:SICP-6412 ¥2,750(税込)
(ソフトパック/28ページ・オリジナル・ブックレット+日本版ブックレット/新規解説・歌詞・対訳付)
■2LP:SIJP-111~2 ¥6,600(税込) 輸入盤国内仕様 完全生産限定盤
(180g重量盤/ハーフスピード・カッティング45回転盤/28ページ・オリジナル・ブックレット+日本版ブックレット/ Newデザイン帯付見開きジャケット/新規解説・歌詞・対訳付)
収録曲
1 生命の動向 Signs Of Life
2 幻の翼 Learning To Fly
3 戦争の犬たち The Dogs Of War
4 理性喪失 One Slip
5 現実との差異 On The Turning Away
6 空虚なスクリーン Yet Another Movie
7 輪転 Round And Around
8 ニュー・マシーン(Part 1) A New Machine Part 1
9 末梢神経の凍結 Terminal Frost
10 ニュー・マシーン(Part 2) A New Machine Part 2
11 時のない世界 Sorrow
(2LPはSide A: 1~3 / Side B: 4~5 / Side C: 6~10 / Side D:11 )
David Gilmour: Guitars, Vocals, Keyboards & Sequencers
Nick Mason: Electric & Acoustic Drums & Sound Effects
Richard Wright: Piano, Vocals, Kurzweil, Hammond Organ
Produced by Bob Ezrin & David Gilmour
Remixed by Andy Jackson with David Gilmour,
Assisted by Damon Iddins
Additional editing by Devin Workman
Original Recording Engineered by Andy Jackson
Assisted by Robert (Ringo) Hrycyna
With Marc DeSisto, Stan Katayama, Jeff DeMorris
【輸入盤オンリー】
PINK FLOYD/A Momentary Lapse of Reason (Remixed & Updated)
Deluxe CD+Blu-ray Box/Deluxe CD+DVD Box
2021年10月29日発売
■CD:A Momentary Lapse of Reason (Remixed & Updated) (収録曲は上記と同じ)
■Bonus Material:Blu-ray / DVD (BD VerもDVD Verも収録内容は一緒です)
映像
<ミュージック・ビデオ>
・Learning To Fly 幻の翼
・Album Cover Photo Shoot 1987 1987年のアルバム・ジャケット用撮影
・Learning To Fly (alternate version) 幻の翼(オルタネイト・ヴァージョン)
<Concert screen films (1987) コンサート・スクリーン映像>
・Signs Of Life 生命の動向
・Learning To Fly 幻の翼
・The Dogs Of War 戦争の犬たち
<ドキュメンタリー>
・デヴィッド・ギルモア&ストーム・ソーガソン インタビュー
・『鬱』アルバム・ジャケット撮影について
オーディオ・オンリー
<1987年のアトランタ公演>
・The Dogs Of War 戦争の犬たち
・On The Turning Away 現実との差異
・Run Like Hell ラン・ライク・ヘル
DVD:<『鬱(リミックス&アップデイト)』 – DVD(Surround Sound Audio)>
・Stereo PCM 48/16
・5.1 Dolby Digital 48/16
・5.1 dts 48k/16
Blu-ray:<『鬱(リミックス&アップデイト)』 – Blu-ray(High Resolution Audio)>
・Stereo PCM 96/24
・5.1 dts Master Audio 96/24
・5.1PCM 96/24
【動画情報】
「幻の翼」(360RA VIDEO)
“Learning to Fly (2019 Remix)” 360 Reality Audio version